大腸癌になった
はたらく細胞でがん細胞やっていたので、なんとなく書いてみようと思う。
自分は31歳だが4カ月前に大腸がん(正確には盲腸癌)のステージ3bだと診断された。
医者にも珍しいと言われたし運が悪いとしか言いようがないが、父親とその母親(祖母)も大腸癌になっているのでたぶん遺伝要素が大きいと思う。
ステージ3bって末期癌一歩手前なんだが気づいたのはある意味運がよかったのかもしれない。5年生存率は6-7割ってところらしいから、まだこれからどうなるかまだわからんけど。
前兆について
正確な期間は覚えていないが数年間、便が下痢気味だったのと、慢性的な腹痛(軽い筋肉痛ぐらい)があった。
病院に行くきっかけになったのが1回だけ大量の血便が出たことだった。祖母がやたら心配するので行くことにした。
ただ、痔にもしょっちゅうなっていたので癌だとは思わなかったし、数年前1度病院に行って痔と診断された経験もあった。
診断と発覚
初日は採尿・採血では異常なし。CTを取ったらリンパが腫れていたので別の日に大腸内視鏡検査(尻からカメラを突っ込まれるやつ)をする。
内視鏡をやったら虫垂に腫瘍が見つかった。この時点では悪性かどうかわからないらしい(1か月くらいかかるそうだ)が、とりあえず手術は必要と言われた。大腸癌は取り敢えず切っちゃうみたいだ。
ちなみにカメラはめっちゃ太いしぐいぐいやられるのですごく苦しい。
(元画像はここから拝借:https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/)
虫垂のところのちょっと上から小腸がつながっていてポケットみたいになっているところに腫瘍があったので症状は出にくかったらしい。直前に会社の健康診断もやってたがそれは異常なしだった。(役にたたんな)
また別の日に転移を調べるため、胃カメラ、造影CT(点滴うって熱くなるやつ)、心電図、レントゲン、肺機能と色々検査したが異常なしだった。胃カメラも太いのでめちゃくちゃオエッってなる。
この後、手術して取った細胞を病理検査してから決まったが、正式な病名は盲腸癌だった。
手術と入院の準備
手術は普通は1か月くらい先になったりするらしいのだが、たまたま空いていたので1週間後にすることになった。
職場には検査結果とか逐一全部正直に話していたし、気を遣ってもらって治療に専念するように言われてすんなり進んだ。
前日に入院し色々説明をうけ(ほとんど覚えていない)、術後10日くらいの予定(実際には1週間)だった。
手術の前には歯医者で口腔内洗浄をやらされる。全身麻酔で肺に管を入れられるので口の中が汚いと肺炎になるらしい。
お金の話
高額医療費限度額制度の申し込みをすると、自分の所得に応じて医療費が抑えられる。
参考:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3020/r151
病院の説明によると入院費用は43万かかるらしいが、俺の場合は給料少ないので月当57500円まで抑えられる。実際には個室代や飯代などは対象外なので9万ほどかかった。
手術のため1か月ほど休職することになったので健康保険に傷病手当を申し込んだが未だに振り込まれていない。
がん保険に入っていたので84万ほど貰えた。今のところかかっている医療費は30万くらい。
入院するとき持って行った方がいいものリスト
・スマホ/充電器/イヤホン ― 暇つぶし道具は絶対いる
・ウェットティッシュ ― 飯食うときなどに箸拭いたり、洗面台は近いが歩けると思わない方がいい
・電源タップ ― 壁についてたりするので届かないので
・時計 ― 置いてないから
・ノート/ペン ― 色々覚えきれないのであるといい、ついでに日記もつけるといい
・耳かき/爪切り ― なぜか気になる
手術について
手術は開腹手術が一般的らしいけど、主治医におすすめされたので腹腔鏡手術というのでやった。小さい穴を空けてお腹を膨らませて手術するらしい。実際手術後はヘソの上下1cmずつと3か所小さな傷があるだけだった。
(画像はここから拝借:https://medicalnote.jp/contents/171030-016-CH)
手術は12:00~18:00くらいまでかかった。自分はまな板の上の鯉状態だったので手術に対して思うところとかはなかった。感想としてはたくさん人がいるんだなってのとドラマで見たのと同じだなってことぐらい。
全身麻酔だったのでマスクつけられたらスッと意識がなくなって次の瞬間には声をかけて起こされていたので、手術中の記憶はないというか時間が切り取られたって感覚に近い。寝た時みたいな時間の経過を感じない。死ぬってあんな感じなのかと思った。
全身麻酔は自発呼吸ができなくなるらしいのでその副作用か術後は夜中までめちゃくちゃ苦しくて死ぬかと思った。
手術後について
3日間は個室(1日6000円)で残りが大部屋だった。
両腕に点滴が2本刺さって、尿管に管が入ってて、おむつ履いて、脇腹に血とか抜くチューブが入ってる状態で寝て過ごすことになる。尿の管は3日目、脇腹の管は5日目、点滴は6日目に抜いた。
腸を動かすため次の日から歩かされる。脇腹の管がどこかにあたってめちゃくちゃ痛くて抜くまではまともに歩けなかった。
風呂入れないのでかなりかゆい。入れるようになったのは6日目でそれまでは看護師さんにタオルで全身を拭いてもらう羽目になる。おむつひん剥かれて拭いてもらう。
病院食は不味いって聞いてたけど他に食べるものがなかったのでそうでもなかった。ただし、味付け何もなしで丼で出てくるほぼ糊になってるお粥だけは別。家から塩を持ってきてもらって味付けて食べた。聞いたらあの糊は年寄りにも同じ量が出るらしい。
6日目に病理検査の結果が出て(手術で切った病理検査は早いらしい)、癌がリンパまで転移している(ステージ3b)ということが伝えられた。抗がん剤治療をやった方がいいらしい。
7日目に退院した。退院日にうるさい年寄りが入ってきたので一緒にならなくて運がよかった。
退院後について
退院後1か月は激しい運動禁止、2-3カ月は腸閉塞を防ぐため繊維の多いものなどは避けるようにと言われた。腸を切ったので下痢になりやすくなるとは言われたがそんなことはなかった。実際手術はすんなり終わったし影響はほとんどなかったといっていいと思う。
遺伝子検査もしてもらったのだがリンチ症候群(癌になりやすい体質)ということが判明した。
手術よりもこの後の抗がん剤治療の方が大変だった。
抗がん剤治療
リンパ転移がいくつもあったので予防的な意味で抗がん剤治療をすることになった。
以下の冊子を渡されたが、ゼローダ'(錠剤)とオキサリプラチン(点滴)を受けることになった。抗がん剤と言えば脱毛が気になるがそういう副作用はないらしい。
3週間1クールで8回の半年間行う。現在も治療中でまだ半分しか終わっていない。
ゼローダの方はリンチ症候群の人にはあんまり効かないらしいので量を減らしてもらった。というか点滴の副作用が気持ち悪くてあんまり飲んでない。副作用として踵がひび割れたりするらしいがそういうのは自分は出ていない。
オキサリプラチン(医者の人は商品名のエルプラットっていう)は副作用として食欲不振と手足のしびれ喉のしびれが1週間くらい出てて、繰り返すたびに副作用がひどくなっている。
副作用が出ている間、食事や水が入らなくなるので毎回5kgくらい体重が減ってその後リバウンドするのを繰り返している。会社も1クールごとに1週間休んでいる。正直辛いのでもう辞めたい。
ちなみに1回ごとに医療費が5万ほどかかる。